1.調査研究のテーマと目的
 文部科学省は、平成2年に作成した「情報教育に関する手引き」を全面改訂し、「情報教育の実践と学校の情報化」なる新しい手引きを平成14年6月に公表した。今回の特色は、小・中・高等学校各段階における情報教育の考え方やあり方を明らかにし、教科のねらいと情報教育の目標を達成するための学習活動の関連を重視したことである。そして、各学校においては、情報化に対応した教育の必要性について十分理解し、家庭・地域とも連携を深めながら、創意工夫を活かした特色ある情報教育が実施されることを謳っている。

 本市では、平成13年度末までに全ての学校に教育コンピュータ及び教室内LAN環境を整備するとともに、全ての学校にインターネット環境を導入し、山形市内小・中学校のイントラネットを構築してきたところである。

 加えて、これらの機器環境を有効に機能させ、児童・生徒が学習においてコンピュータやインターネットなどを効果的に活用するためには、教職員の情報活用能力や指導力の向上が不可欠であると考え、各校の情報教育の推進を担う「情報教育主任」の役割とその職務に関して、昨年度調査研究を行った。

 一方、上記の調査研究を行ったことで、あらたに情報推進に係る諸問題として、本市児童・生徒の情報活用能力の実態を明らかにする必要性が生まれてきた。第一に、児童・生徒の「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」の三要素から構成される「情報活用能力」のバランスのとれた育成。第二には、児童・生徒が家庭で使用している機器及びネットワーク環境、ならびにこれらの使用に関する約束事の状況である。
 
 児童・生徒が日常生活においてコンピュータやインターネットなどを効果的に良心的に活用するためには、児童・生徒の実態を踏まえた各校の情報教育の指針を示し、それぞれの情報教育年間計画を見直し整備することが、今後の情報教育の推進には不可欠であると考える。
 
 そこで、児童生徒のコンピュータリテラシーおよび情報モラル・家庭での情報機器利用等に関する調査研究を行い、本市情報教育の推進・充実に資することを目的として、本研究員会を組織して調査研究を行った。
先頭ページ 前のページ 次のページ