1 調査研究のテーマと目的 
 本研究員会は,平成14年度から市内小中学生を対象に,「情報教育活用能力に関する実態調査」を継続して行っており,今年度で4年目を迎える。
 この調査は,これからの社会において「生きる力」の重要な要素である「情報活用能力」(スキル・モラル)の実態,および家庭におけるIT環境やIT利用状況等について調査し,今後の学校における情報教育の推進に資することを目的としている。

 文部科学省が,今年度末まで「ITを利用して教科等の指導ができる教員を100%」にするという数値目標を設定していることや,本市が継続して行っているIT授業に対する学校支援者派遣事業などの成果もあり,本市においては,『わかる授業』を実現するためのITを活用した授業や,情報教育が広く実践されてきている。

 昨年度の調査結果の分析においては,学校や家庭においてITの利用機会が増えたことにより,児童生徒のスキルが学年進行とともに着実に向上し,インターネットが調べ学習等に活用されることがより身近になったことが指摘された。反面,ここ1〜2年の間で急速な広がりを見せている,ブログやアバターなどのコミュニケーションツール利用の実態が気になるところであり,子どもへの「情報モラル教育」を徹底していかないと,こうしたツールが非行や犯罪の温床になるのではないかとの危険性が指摘された。

 今年度は,こうした児童生徒を取り巻くIT環境の推移や,IT技術の進展にともなうネットワークにおけるコミュニケーションツールの状況等を考慮し,調査項目や選択肢を再検討し,本調査を実施することとした。
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