本研究員会は,平成14年度から市内小中学生を対象に,「情報教育活用能力に関する実態調査」を継続して行っており,今年度で5年目を迎える。
この調査は,これからの社会において「生きる力」の重要な要素である「情報活用能力」(スキル・モラル)の実態,および家庭におけるIT環境やIT利用状況等について調査し,今後の学校における情報教育の推進に資することを目的としている。
文部科学省が,今年度末まで「ITを利用して教科等の指導ができる教員を100%」にするという数値目標を設定していることや,本市が継続して行っているIT授業に対する学校支援者派遣事業などの成果もあり,本市においては,『わかる授業』を実現するためのITを活用した授業や,情報教育が広く実践されてきている。
昨年度は,おおむね順調な伸びが見られるリテラシーの実態に対し,家庭のIT環境の実態と情報モラル育成においては,ネットワーク社会に対する家庭の認識の低さといった課題が表れた結果となった。
また,その考察においては,リテラシー面,モラル面ともに,学校や学年間,学級間のデバイドを生じさせない系統的な指導の重要性と,学校と家庭,ときには専門家との連携の必要性が指摘されている。
今年度は,調査項目を昨年度から踏襲し,山形市の児童生徒と,家庭を中心とした子どもたちを取り巻く状況の実態および推移を把握することを目的とし,本調査を実施することとした。
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