山形市総合学習センター3階廊下の窓からは、渦巻き模様の中に美しい緑の芝生が映える庭が見られます。渦巻きの中心からその線を目で追っていくと、総合学習センターの建物のカーブに続いていることに気づきます。
総合学習センターはデザインのコンセプトがアンモナイトであり、美しい弧を描く建物と庭園が一体となってアンモナイトを見事に表現しているのです。
アンモナイトは古生代のデボン紀から中生代末まで生存し特に中生代に繁栄した軟体動物頭足類のアンモナイト亜綱に属する化石動物の総称です。現存する生物のオウムガイ類に殻の構造はよく似ています。
アンモナイトの化石は世界中から数多く発見されるため、誰もが「化石」と言えばアンモナイトを連想するくらい広く知られているものです。
しかし、生きたアンモナイトは誰も見ることができません。その形態や構造から生態を推測すると、激しく波の打ち寄せるような場所や深い海底、潮流の速い場所になど生息していたとは考えられません。内湾の浅く穏やかな場所に生息し、移動についても極狭い範囲をのんびりと移動する程度の生活をしていたものと思われます。ただし、餌が近づくと触手を素速く伸ばして捕捉し食べてしまう、そんな生活をしていたのではないでしょうか。
山形市総合学習センターもアンモナイトのように広く市民に親しまれながらゆったりと発展を続け、社会の変化や時代の要請には素速く触手を伸ばして研究や研修に反映させ、今後も山形市の「教育・文化・科学・情報の拠点」として期待に添えるよう努力していきたいものです。 |