X.コンピュータ利用に関する知識・経験について(中学生)
【設問の設定意図】
 パソコンが各家庭にも普及し、中学校でも多くの授業で活用できる機器が整備されている状況の中で、欠かすことのできない知識や、活用・経験の状況を調査するために設けた。

1 コンピュータウイルスという言葉を知っていますか。
 生徒はコンピュータに不具合が出ると、すぐに「ウイルス」を疑う程知れ渡っており、テレビや新聞等でも何度も新種についての報道がなされている言葉である。インターネットを授業で活用する際には、必ず指導し周知徹底させるべき事項であり、認識は高いと言える。

2 コンピュータウイルスがどのようにして感染するのかを知っていますか。
 ウイルスの感染の経路や、どのような場面で感染してしまうのかは、ぜひコンピュータを使う上で必要な知識であり、現在の家庭へのコンピュータやブロードバンドの普及、さらに中学校での活用状況を考えると、知っている生徒が非常に少ない現状である。感染を防ぐためにも、ぜひ指導しておく必要がある。

3 もし、コンピュータウイルスに感染したら、どのように対処したらよいのか知っていますか。
 感染しているのに対処できなかったり、感染していることを気づけない状態では、被害者であったはずが、次の加害者にもなりかねない大変な問題である。予防のためのソフトの導入、最新版へのアップグレード等々、そして感染後の対処法はしっかり指導しておく必要がある。

4 デジカメで撮影した画像を加工したり、修正したことがありますか。
 授業にデジカメを活用する場面を取り入れられない現状が結果から予想される。発表資料、HP、新聞、アルバム等々、多くの場面で画像を活用したり、処理する学習活動は行えるものと考えられ、今後一層の活用に期待したい   

5 デジカメで撮影した画像を加工・修正し、発信したり発表したことがありますか。
 肖像権や情報を扱う上でのモラル等は、その活用場面に合わせて、学習するのが効果的であり、画像加工があまり行われていない現状では、その学習も不足傾向にあることが予想される。総合的な学習の時間や、体験学習や調べ学習のまとめ等の学習場面での活用をしていく必要がある。

6 インターネットから得た情報を使って、レポートを作成したり、作品にまとめたことがありますか。
 総合的な学習や教科での「調べ学習」等で、インターネットが活用されてきてきており、学年が上がる数値も高く、授業扱っていることがわかる。調べ学習に留まらず、体験学習等のまとめや発表にもコンピュータ活用は有効な手段であり、今後一層の利用拡大に期待したい。

7 インターネットから得た情報を使ったレポートや作品を、他の人に発信したり、発表したことがありますか。
 レポートや作品をまとめる学習の中では、操作方法やまとめ方等の学習だけでなく、膨大な中から有効な情報を選択したり、発信や発表するにあたっての情報の取り扱い、著作権・肖像権に関わる学習が不可欠であり、ぜひ取り扱いたい学習内容である。

8 授業などでコンピュータを使って作成した作品について、他の人と意見交換したり、感想を発表し合ったことがありますか。
 コンピュータで作成したデータは、共有できたり、加工・編集しやすい利点がある。また、互いに発表しあうことでイメージを広げ発展させたり、さらに良いものをつくりあげるためのアドバイスをし合うなど、学びあいの場面もつくりやすいと考えられる。約半数の生徒が学習場面で経験しているが、さらに多くの場面での活用が可能であろう。

9 あなたが、学校の学習でコンピュータをつかうとすれば、どんな教科で使ってみたいですか。いくつでも選んでください。
 「発表活動」等で使用されている総合学習、「調査・調べ学習」等で活用している社会科、「情報とコンピュータ」等で使用している技術・家庭科で数値が高い。他教科での活用も進んでいるが、生徒はもっと多くの場面での活用を望んでいることがうかがえる。「よりわかりやすい授業」「基礎基本の定着」等を可能にするツールとして、さらなる活用に期待したい。

【 考 察 】
 現状では、学校間での情報にかかわる学習内容の扱い方や活用状況にも差があり、さらに活用場面の工夫や利用拡大が可能であると考えられる。また、系統立てた学習場面の設定により、より効果的で内容のある学習を組み立てることができると考えられる。情報教育に関わる3年間を見とおした計画立案と、教科・指導者が十分検討し、連携を深め、指導事項の確認や分担を明確にしておくことが非常に大切であり、今後の課題であろう。

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