U 家庭における実態
【設問について】

質問5.家にパソコンがありますか
 自分専用のパソコンを持ち始める時期が中学1年が一つの境界である。小学低学年より興味や関心のある児童はそのまま使用を続け、中学入学をきっかけに使用し始める生徒がでてきているようである。また全家庭の80%にパソコンが普及している。
質問6.家でパソコンが使えますか。
 2004年度   2005年度 比較
 小学5年から比較的自由に使用することが可能となっている(50%を越える)。さらに中学1年では70%を越える。児童生徒が一人でパソコンに向かう時間が学年を追うにつれて増加し、家の人といっしょの使用が小学5年で減少し始めることも特徴的である。

質問7.自分が自由に使える携帯電話(PHSを含む)を持っていますか。
 2004年度   2005年度 比較
 自分専用の所持率が中学1年を境に倍増し、特に中学3年では全体の4割が自分のものを所持している。中学入学を機に校内外問わずに活動範囲が広がり、所持する(家の人に持たせられる)ことが増えはじめるようである。

質問8.あなたの家は、インターネットにつながっていますか。
 児童生徒宅のインターネット普及率は50%をすべて越えている。この質問について昨年度との比較はできないが,インターネットに接続している家庭が今後も増加していくと考えられる。

質問9.あなたは家で、インターネットを使うことができますか。
 2004年度   2005年度 比較
 一人でインターネットを行う時期が昨年度小学6年で50%を越えたのに対して今年度は小学5年で50%を越える。家族が付き添わずに一人でパソコンに向かう児童生徒の低年齢化が進みつつある。一人でいつでもインターネットを利用できる児童生徒は中学1年で50%を越える。

質問10.家でインターネットをどのくらい使っていますか。
 2004年度   2005年度 比較
 毎日1時間以上インターネットを利用する長時間使用については中学1年からその傾向がみられるようにある。ただし、受験勉強等の影響か中学3年で減少する。昨年と比較すると小学校では変化はないが中学での長時間使用が昨年6〜7%であることと比べ増加していることが見受けられる。

質問11.家でインターネットをするときに、家の人との約束事を決めていますか。   2004年度   2005年度
 小中の別、学年を問わず家庭で親との約束事を決めてインターネットを行っているのは全体のおよそ30%である。昨年度と比較してもほぼ同様の回答であり、保護者の意識に大きな変化はみられない。ただ、小学3年で27%から32%に増加しているのは昨今のインターネット関連の諸事情に敏感になっている若い年代の保護者の意識の変化の一つかと思われる。

質問12.家のパソコンや携帯電話を使って、インターネットで見たことや利用したことがあるものをすべて選びましょう。
(複数回答あり)
 一人で見たり利用したことがある    家の人と一緒に見たり利用したことがある
 家庭において学習のためにインターネットを利用する機会は、昨年度に比べ7〜14%増加している。小学4年で50%に達していることから、学習に役立つ情報を得る手段としてのインターネット利用がますます浸透してきていることが分かる。
 チャットの経験は小学5年から増え始め、中学2年、中学3年で急増する。特に中学生は、昨年度に比べて3〜11%の増加である。
ネットゲーム、ネットショッピング、ネットオークションを経験した児童生徒も、年々増加の傾向がみられる。
 このことから、私的な楽しみや便利な生活のためにインターネットを利用し始めている児童生徒が徐々に増えていることが分かる。
出会い系サイトや殺人・麻薬・アダルトサイトなどを閲覧した経験は、小学6年あたりから徐々に増え始めているが、ほぼ昨年度並みの割合に留まっている。インターネットカフェの利用経験は、全体的には昨年度とあまり変わらないが、利用経験のある生徒が中学2年以降増えてくるようである。

【 考 察 】
 家庭でのインターネット利用やパソコン使用は、小学5年と中学1年の2つの時期にその変化(使用頻度が増える、使用時間が増える、所持率が増えるなど)をみることができそうである。
 また、中学3年では受験勉強の影響からか長時間使用は減少するものの、インターネットカフェの利用や携帯電話(PHS)等の所持率が増加していることから、自宅以外の場所でもインターネットを利用している可能性がある。学年が上がるにつれて、家族の目に触れないところで情報収集や情報交換を行うことが多くなっていく、という傾向が推測できる。したがって、インターネット利用や携帯電話の使用に当たっては、児童生徒がその危険性を十分に理解した上で使用することができるよう、家庭のみならず学校教育の場面でも指導する機会を設けていくことが、今後ますます必要になっていくと考えられる。

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