情報教育年間指導計画作成あたって

小学校編

小学校において情報教育年間指導計画を作成する場合、以下の点に配慮することが大切です。

◇ 児童の発達段階に応じて、各学年を一貫した系統的・体系的カリキュラムの編成を行うこと。

◇ 各教科や総合的な学習の時間、その他領域等の時間にコンピュータや情報通信ネットワークを活用できるようにすること。
◇ コンピュータや情報通信ネットワーク等を含め、幅広く情報手段を適切に活用できる基礎的な資質や能力を育成すること。

◇ さらに、情報教育の3つの目標(情報活用の実践力、情報の科学的理解、情報社会に参画する態度)を育成していく観点から、

学年や教科ごとに指導内容を整理すること。

 

【作成の方法の例】

1.小学校において身につけさせたいコンピュータリテラシーの洗い出しと、その学習時期を検討する。

 ◇ 児童の実態に合わせて内容や時期を検討し、一覧表などのまとめると他の学年とのつながりも見え、わかりやすくなるようです。 

1の@ 一覧表型     1のA 一覧表型

 ◇ 確実に実施するためには、月毎に設定することも有効だと思われます。

         例2 月別計画型

同じく、情報モラルの学習内容および時期を検討する。

 ◇ リテラシーと同様に、しっかりと身につけさせたい重要な内容です。

         例3 各学年の内容例

 

2.コンピュータ活用における目標を設定する。

 ◇ 発達段階に合わせた、大きな目標です。

         例4 目標の例

3.各教科におけるコンピュータ活用のねらいを設定する。

 ◇ 便利な道具として「こんなこともできますよ。」という考え方ではなく、各教科で活用することで、情報活用能力を育成していくという考え方が大切です。

         例5 教科毎活用のねらいの例

 

 

4.カリキュラムに関連付けた具体的な活用場面の計画を立てる。

 ◇ 各教科の年間指導計画と照らし合わせた計画です。

         例6 月別指導計画の例

 ◇ コンピュータリテラシー・情報モラル・各教科との関連が一体となっている計画も有効だと思われます。

         例7 リテラシー・モラル・各教科一体型の例

 

5.時数配分等の検討

◇ 計画を実施するためには、情報教育に関わる時数をどのように確保するかが、大きな課題の一つとなります。現在のところ、以下のような方法で時数配当している学校が多いようです。

角丸四角形吹き出し: 時数配当の例@
コンピュータリテラシーを中心に、総合学習の中に10時間程度確保する。
尚、1・2年生は内容によって生活、国語、図工、学活等に振り分ける。

 

 

 

 

 


 ◇ さらに一歩進んで、各教科のカリキュラムに取り入れる方法も考えていかなければならないと思われます。

角丸四角形吹き出し: 時数配当の例A
上記3の「各教科における活用計画」に基づいて、教科の年間指導計画に情報教育に関わる時数を確保する。(どの授業で、どんなことを、どのくらい)

 

 

 

 

 

 


6.作成の進め方

◇ ここまでの全ての仕事を情報教育主任だけで行うのは不可能なことです。そこで、実際には以下のような流れで作成が進むものと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


7.その他

 ◇ 計画が確実に実施されるように、ソフトやWebページを推薦したり、機器の活用についてアドバイスするといった情報教育担当者からのバックアップが必要となります。

 ◇ 年間指導計画作成にあたっては、ここに提示したものの他にも、先進校の例がWebで数多く公開されています。是非、参考にしてください。

 

最後にこの手順をもとに作成した情報教育全体計画および情報教育年間指導計画の例を紹介します。

 

     例8 情報教育全体計画および年間指導計画の例